2013年4月27日土曜日

【G1サミットまとめ3】三本目の矢 安倍政権が目指す成長戦略とは

はじめに

困惑することに、本家Globis.jpの方で、テキストレポートと動画が掲載され始めています。
3月23日に1つめの動画+テキストが掲載されたので、およそ自分がテキストレポートやろうと考えたときとほぼ同時です。早とちりと言いますか、本家で始まっていたのに気づかず。恥ずかしい限り。というわけで、ぜひそちらをご覧ください。(恨み節としては、一応Globisさんには確認のメール出してたんですが…)
http://www.globis.jp/2442

このまま尻切れトンボになるのも癪なので、本家とは違った形で何をやろうか、ということを考えて数週間経ってしまいました。動画を文字起こしするだけではなくて、なんらかの付加価値出さないといけない、という当然のことを強いられる環境になった意味では、改めてこれからが正念場ということで続けていきたく思います。まずはざっくりとセッションの解説、という体で走りながら、周りの意見を聞いて磨いていければと思います。どしどし改善提案お寄せください。

内容解説

このセッションの題名は、「三本目の矢 安倍政権が目指す成長戦略とは」となっていますが、実際、主に話していることは、「どうやったら抵抗抑えて改革進めるの?」という話です。G1サミットはいわゆる改革派の集まりなので、前提としてのやるべきことはわかってる(共有されてる)けど、他の集団の反対を超えてどう実行するの?」という話です。

登壇者の中では、秋山さんが「3本目の矢」を作る産業競争力会議の議員です。
秋山さん曰く、産業競争力会議も悪戦苦闘中で、例えばお金をつける、省庁の仕事を増やす政策に誘導される、ということです。

カーティス先生もおっしゃってましたが、平さんも1本目、2本目の矢は文句を言う人が少ないので簡単だけれども、3本目は政治的ハードルが高く、正念場であるという話をしてます。よく知られてる通り、労働、医療、農業などの改革は難しい。そうした問題に取り組むためにどうしたらいいのか?ということについての発言を抜き出してまとめとします。

実行するには?各パネリストの発言

政府の会議・メディア戦略で、総理がやりたいことを民間議員に言ってもらう「腹話術」が必要(フェルドマン)

政権発足時と選挙勝利直後、つまり今(当時2月)と参院選後に一挙に動きをつけることが必要(平)
↑一度失速して、参院選後にもう一度動きをつけることは可能なのか?(柳川)
↑野党時代と違い、衆議院で大勝して都市部・若手の議員が増えたので、進むはず(平)

実は国民が改革の必要性を感じてないから実行できないのでは?(柳川)
↑声を反映させるために、一票の格差問題を変えるところから(フェルドマン)

農業改革に当たって、JAと全ての農家を敵に回して行うのではなく、JAに参加しつつも現状に疑問を感じている人から変えていくのが良いのでは。(少しずつ切り崩していくということ)そのためにも通商政策。(平)

意思決定機構のあり方を変える必要性。女性を一定比率入れるアファーマティブアクションを取っていかないと変わらない。(秋山)
意思決定のインセンティブを考える必要性(フェルドマン)

規制改革後の絵をクリアに見せることが必要(柳川)
↑ビジョン、フレームワークを作り、政策目標と「国際先端テスト」を活用してKPIに落とし込んでいく。海外への伝わりやすさを考える(秋山)

官僚や農業団体との細かいところでの議論に勝てるスキル・専門性(柳川)

参考までに

1.パネリストのプロフィールは本家を見ればわかりますが、補足として平さんの「政務官」という役職とは、ということで、Wikipediaの解説を貼っておきます。

2.マクロ政策に関する経済財政諮問会議のホームページはこちら
ミクロ政策に関する産業競争力会議のホームページはこちら。議事次第・配布資料・議事要旨・記者会見要旨が上がってます。政権交代後の1月に始まって今日までに7回の会合があります。メンバーも実は三木谷さん竹中さん新浪さん、以外よく知られてないんじゃないでしょうか。他にもコマツの坂根さんなどがいますね。
ちなみに、他にも様々な課題について委員会が開かれてますがこちらで一覧が見られます。

3.フェルドマンさんが挙げられた、イノベーションを起こすために必要な7つのこと
1デフレ脱却
2税制改革(設備投資を増やすための)
3海外留学促進
4社会保障制度改革
5民主主義の質の改善(1票の格差を挙げられてますが、ネット選挙もその取組ですね)
6農業革命
7エネルギー(金が中近東に流れることを問題視)

4.フェルドマンさんが挙げられた、金融政策での4つの観点
1物価指数が総合指数でいいのか(エネルギー価格上昇を反映したものを物価上昇としてしまう恐れ)
2物価水準の目標設定(目標未達成でした、ごめんなさいまた来年、で済まないように)
3物価水準と物価目標の差から決めるマネーサプライルールの導入
4金融政策以外にも日銀総裁が発言すべき

5.念のため。KPIとはKey Performance Indicatorの略です。詳しくはこちら(KPMGホームページ)を。目標となる数値設定ですね。そこで間違った数字設定・間違った指標設定をするといろいろ歪んでしまうので使い方に気をつけなければいけないものです。

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