2013年4月24日水曜日

一番好きな本は?

「ルワンダ中央銀行総裁日記」
大学院に合格後、大学4年のときに読んだ本です。
一番好きな映画は?音楽は?という問いには答えられない自分ですが、本は?と問われたら確実にこの本を挙げます。自信を持って全ての人に勧めたいです。

きっかけは成毛眞さんの紹介を読んだことです。
『ルワンダ中央銀行総裁日記』−成毛眞ブログ
http://d.hatena.ne.jp/founder/20091202/1259762086

1965年-1971年のルワンダに、中央銀行総裁として着任した服部正也(Wikipedia)さんの話。
日本人初の世界銀行副総裁でもあります。日銀からIMFに出向、IMFからルワンダ中央銀行総裁として着任。日本では中央銀行総裁というと管掌が狭いように思われるようですが、経済の抜本的な立て直しを行っていきます。中央銀行総裁日記というと固いようですが、事実は小説よりも奇なり、ドラマがあります。

この記事を書き始めて気づきましたが、サイドバーのお気に入りブログに登録させていただいている「himaginaryの日記」、「本石町日記」でも紹介されていました。特に前者は極めてうまくまとまっており、是非リンクから読んでいただきたいです。そしてそこで紹介されているこの本に関するブログ記事も是非。「本石町日記」さんではルワンダのびっくりな状況、「ずんちゃか株式投資雑記帳」では服部正也氏のヒーロー的な活躍がよく書かれています。

これらを読んでいただければ本の魅力や読む必要性は十分に伝わると思うので、特に自分が何を書くか、というところですが、自分が好きな理由を3つにまとめて締めとしたいと思います。


1.異国で人と働く上での「人を見る目」
海外に一人で飛び込む中で人種年齢関係なく共に働く人をよく観察し、人物を公平に評価して周りの信頼できる人できない人を見極め、仕事を進めていく姿に、慣れない環境で恊働する上で「人を見る」ことの必要性が伝わります。「グローバルに働く」ことを説く本は数多あれ、実在した日本人が50年前のルワンダで範を示されていることに敬服です。
(黒木亮の「アジアの隼」「巨大投資銀行」「トップ・レフト」なども同じ意味で非常にエキサイティングで非常に好きな本ですが、フィクションとノンフィクションの違いがあります。)

2.知識・専門性の重要性
民情を的確に捉え、どのような手を打てばよいのかを考える観察力・洞察力から、差別意識・特権意識を持つ経済顧問団や外国資本など抵抗する勢力を振り切る、専門性・説得交渉力・実行力、それらは日銀・IMFで働いたプロフェッショナルとしての専門性が成せる技であり、大学院での勉強に大きなモチベーションになりました。

3.公益に関わる仕事の高潔さ
様々なアクターがいる中で、高所で差配する立場からルワンダの発展に尽くした姿が公共政策大学院に入る前でもあり、眩しく映りました。官庁なども省益に固執する姿などがありますが、服部さんの仕事ぶりには全体を、公益を考える仕事のすばらしさを見せつけられた気がします。

    

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