2013年3月13日水曜日

最近読んだお勧め本5冊~2013年1・2月

まず、リーダーシップに関する本2冊。

1.某宮本氏お勧めのリーダーシップの旅
彼がここで紹介していて知りました。
http://uwmemo.blogspot.kr/2010/09/blog-post_17.html
そして彼の現在のブログ
http://mlosb.blogspot.kr/
徹底的に「リーダーシップ」って何じゃ、胡散臭い、という視点から始まります。
そういう人にこそ勧めてみたいと思います。



2.あわせて、採用基準
元マッキンゼーの伊賀さんが書いています。ちなみに某ブログは4年くらい前、有名になる前からずっと読んでたのはプチ自慢で、正体がわかったときにはびっくりしました。
彼女はケース対策はいらない!といっていますが、個人的にはケース対策は必要、というか知的トレーニングとしてやっておいて良いものだと思います。型にはまっては良くないですが、思考の引き出しとして自由に使えるようにしておく分には構わないと思います。
一方で、「みんながリーダーとなって議論する」ことの有効性を説く彼女の主張について、周囲でそのあり方に懐疑的な意見が多かったように思いますが、それは有効で学ぶべきものであるように思います。

二つとも、「同じものを見たところから、一歩踏み出すかどうか」ということをリーダーシップとして挙げられていることは共通していると感じました。
一方で、「リーダーシップの旅」では「リーダーシップは育てられない」という立場に立つのに対し、「採用基準」では「リーダーシップは育てられる」という立場を取ります。「リーダーシップを育てて君もリーダーに!」というのはマッキンゼー社の採用メッセージでもあります。
この点に関しては、後者の立場に賛成です、ポジション、環境が人を育てるというのはリーダーシップも例外ではないと考えます。



次に、東大の船曳先生の2冊。
3.「日本人論」再考
明治から現在までのいわゆる「日本人論」について、それぞれがどういう背景(時代、作者)で書かれ、どういう特徴を持っているのかを時代ごとに書いています。
船曳先生のゼミには友人が数人在籍していたのですが、船曳先生の本を読むのは初めてでした。その文章力、展開力、説得力には感服しました。

有名な日本人論が軒並みカバーされてそれらが全体の文脈の中で要約されているだけでなく、それらの時代・筆者の背景も含めて解説してくれているために、いわゆる「日本人を知る」教養本を読んで陥りがちである罠にはまることを防いでくれるように思います。
その罠というのは、例えば内村鑑三の「代表的日本人」を読んで、「明治時代の日本人は代表的日本人というものをこう捉えていたのか」ならまだしも、「昔の日本人はこういう人だったのか」と解釈してしまうようなことです。教養本は、名著であると言われているがゆえに、逆に批判的に読まずに、読んだことを誇りにして受け売りで語ってしまいがちである危険があると思います。そこでこの本は例えば「代表的日本人」を書いた内村鑑三とはどんな人なのか、時代背景は、ターゲットオーディエンスは誰なのか、どういう過程で書かれたのか、その内容は、ということを包括的に語ってくれます。

絶賛しましたが、日本人にも外国人にも勧めたい本です。
ただ一点付け加えるなら、結論部はやや性急で、自分は意見を異にします。



4.同じく、右であれ左であれ、わが祖国日本
黒川清さん、石倉洋子さんが共著している「世界級キャリアのつくり方」の中で、日本にはこういう歴史があり、その延長線上に現在があり、今、世界はどういうパラダイムで動いているから、近隣諸国とはこういう関係になっている。だから現在の日本の問題はこうで、次はどうすればいい」という話ができていない。近視眼的になっている。といった話があります。

この本は、その問いを考えるいい本だと思います。またそのためのフレームワークを提示して、船曳先生自身が本で議論しています。「国家観」の議論が必要である、という話があり、そもそも「国家観」とは何なのだ、という議論があるかと思いますが、国家観は黒川さん、石倉さんがおっしゃったような話で、そしてそれを考えるにあたってこの船曳先生の本は良いきっかけと材料を与えてくれるように思います。国際関係を勉強するにあたって有益な本なので、ソウルにも持参しています。



最後に、
5.渡辺健介さんの自分の答えのつくり方
子供向けに書いてあるので、すぐに読めます。けれども、大切なことが物語という具体例で優しく説明されています。主人公の成長に自分の経験を重ね合わせて読みました。手元に置いて再読したいので、ソウルにも持参しました。


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